「長寿祝いの基本マナー」を学んで、素敵なお祝いにしよう!

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「長寿祝いの基本マナー」を学んで、素敵なお祝いにしよう!

公開日:2016年12月18日
最終更新日:2023年3月24日

長寿祝い""

日本で現在行われている長寿祝いにはさまざまな種類があり、60歳で祝う「還暦」に始まり、70歳の「古希」、77歳の「喜寿」、80歳の「傘寿」…と続きます。

人生の節目としてのお祝いですから、失礼のないように長寿祝いの基本的なマナーは把握しておきたいものですね。

贈り物の選び方、贈るときに気をつけたいポイントや、長寿祝いの失敗例とその回避方法についてご紹介いたします。

こちらのページはマナー講師の松原奈緒美先生に監修いただきました。

 

 

贈り物の選び方に関するマナー

長寿のイメージカラー

今の60代・70代の方は、年齢の割には身体も気持ちもとても若々しく元気で、老人という言葉が似つかわしくないほどです。

お年寄り扱いされるのを好まない方も増えているため、最近では、長寿祝いで連想されるような伝統的なアイテムではなく、より実用的な物として衣服やお酒、アクセサリー、食器類などを贈ることが多いようです。

長寿祝いの贈り物については特に決まりごとはないため、ご本人が喜んでくれることを最優先に考えて、柔軟に選んでいただいて構いません。

お祝いの色に関しても、ご本人の好きな色があるのであれば定番カラーには強くこだわらず、ご本人の趣味に合わせても良いでしょう。

ただし、長寿のお祝い品として適切でない物もいくつかあるため、その点は注意が必要です。以下で「喜ばれる贈り物」と「不向きな贈り物」について紹介していますので、参考にしてみてください。

いずれのお祝いの品も、贈る相手が喜んでくださる姿を想像して「相手目線」で選ぶとよいでしょう。

 

長寿祝いに喜ばれる贈り物

古希祝いの花束

●お花
年齢や性別問わずプレゼントの定番となっている「お花」。価格帯も幅広く選べるため、手頃な価格から豪華なものまで予算に応じて選ぶことが可能です。
定番は還暦なら「赤色」、古希・喜寿なら「紫色」…というように、メインとなる定番カラーを使用したアレンジメントはいかがでしょうか。

生花の花束や、長持ちするプリザーブドフラワーなど、用途や目的に応じて選ぶことができるでしょう。

●お酒
お酒好きの方には、ラベルや瓶の色で特別感を出したお酒のプレゼントはいかがでしょうか。

例えば、赤いパッケージのお酒は一目で還暦祝いと分かるアイテムです。
また、「名前入り」や「お祝い名入り」ラベルを作成してくれるお店に頼めば、オンリーワンのプレゼントとしても喜ばれます。

日本酒、焼酎、ワインなど、受け取る方の好みに合わせたお酒を選び、一緒にちょっと高級なおつまみを添えてお贈りするのも気が利いていてよいですね。

●趣味用品
いつまでも自分の大好きな趣味を楽しむことは、若々しさを保つ秘訣と言えます。
スポーツや身体を動かすことが好きな方へのプレゼントとして「タオル」はとても喜ばれます。

特に高級ブランドである「今治タオル」は吸水性も良く、デザインも豊富なので、実用性のあるアイテムとして贈る側からも大人気です。
お店によっては名入りにしてもらえるところもあるので、探してみてはいかがでしょうか。

他にも、料理が趣味の人にはちょっとオシャレな調味料を贈る、ガーデニングや家庭菜園が趣味の人にはツールのセットや作業着を贈るなど、趣味を楽しくしてくれそうなアイテムを選ぶと喜んで貰えることでしょう。
普段何気ない会話の中で、その方がどんなものが好きなのか覚えておくと選択肢が増えますね。

●食器類
ご夫婦そろっての長寿祝いや、夫婦仲の良い方へのプレゼントなどには、ペアで使えるような食器類もオススメです。
お店によっては名入れのサービスを行っていることもありますので、こちらもオンリーワンの贈り物として、とても喜ばれます。

予算に余裕があるようなら、自分ではあまり買わないような、少し高級感のあるものを贈ると喜ばれます。
お茶を楽しむ方ならティーカップのセットなど茶器、お酒が好きな方にはワイングラスやロックグラス・切子のグラスなどの酒器類というように、普段も使って貰えそうなアイテムを選ぶと失敗がありません。

●食事会や旅行
「レストランを予約し食事会を行う」、「旅行先の旅館やホテルで長寿祝いを行う」という贈り物も素敵です。
非日常の中で家族や親戚一同でお祝いをすることは、本人にとっても周りにとっても良い思い出になることでしょう。

事前にしっかりと計画を立てる必要がありますが、成功したときの喜びは大きいものです。

会場を選ぶ際は、長寿祝いのプランを取り扱っているかどうかをチェックしてみましょう。
お祝い用として企画しているだけあって、お祝い向けの豪華な料理や写真撮影などがセットになっているため便利です。

ちゃんちゃんこを着用してのお祝い写真は盛り上がりますし、後から見返したときに何の記念か分かりやすいです。
ただし、お祝いされる本人が好まないようであれば、お祝いに応じたイメージカラーの小物を持つだけにとどめるなど、工夫して撮影をするとよいでしょう。

 

長寿祝いには不向きな贈り物

謝罪
気持ちがこもったプレゼントであれば何でも喜んでもらえそうですが、一般的には不適切と言われているプレゼントもあります。
ご本人から「どうしても」とリクエストされた場合などは別ですが、基本的には以下のものは避けた方がよいでしょう。

●お花
喜ばれる贈り物として紹介した「お花」ですが、その中にもいくつかふさわしくないと言われている種類があります。

「椿」は枯れると花がポトリと落ちるので、その様子が首が落ちるようで、死を連想させるため長寿のお祝いには不向きなものとされています。
また、同様に、供花としてよく使用されている「菊」「白や青などの寒色系の花束」も避けた方が無難です。
他には、語呂合わせですが「シクラメン」(死、苦)も長寿祝いにはNGとされています。

●櫛やハンカチ、刃物など
他にも、「死」を連想させるくし(苦・死)やハンカチ(手布→てぎれ【手切れ】→別れ)、ハサミや包丁などの刃物(縁が切れる)等は、縁起が悪いとされています。
長寿祝いの主旨から考えると、相応しくない贈り物と言えますので、選ばない方が良いでしょう。

●老眼鏡や補聴器、杖など
老眼鏡や補聴器、杖などの「老い」を感じさせる物も、長寿祝いには不向きです。
普段使える実用的で便利なものを…という親切心で選んだとしても、露骨に高齢者のような扱いをされたと感じて傷付いてしまったり、気分を害してしまうことがあります。

ご本人のリクエストがない限り、避けたほうが良いでしょう。

どうしてもプレゼントしたい場合は、長寿祝いではないタイミングであらためてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

●履物、靴下や下着、敷物やマット類
靴やスリッパなどの履物および靴下や下着など下につけるものは、「踏みつける」「下に見ている」という意味があるため気を付けましょう。

また、敷物やマットなども同様に「踏みつける」ものですので、これらも避けた方が無難です。

●鞄や時計、文具
鞄や時計は「勤勉に励んで」、文房具は「精進してください」という意味合いがそれぞれあるため、年上、目上の方に対しては避けた方がよいアイテムと言われています。

●日本茶
お茶を好む方は多くいらっしゃいますが、日本茶は弔辞や香典返しなどでよく用いられる物のため、縁起が悪いと感じる方もいらっしゃるようです。
どうしても贈りたい場合は、紅白の華やかなパッケージや、金箔の入ったものなど、一目でお祝いだと分かるようなものを選ぶようにしましょう。

 

 

お祝いの時期に関するマナー

赤飯

「満年齢」と「数え年」、どちらで長寿祝いをやったら良いか、時期に迷われる方も多いのではないでしょうか。

長寿祝いは「数え年」でお祝いすることが多いようですが、還暦祝いだけは満年齢で行うのが一般的とされています。

「還暦」は生まれ年の干支が一巡して再び戻ってくるということが由来で、文字通り「暦が還る」ことのお祝いのため、生まれた年と一致していなければならず、数え年で考えるとずれてきてしまうためです。(還暦で満年齢が60歳の場合、数え年では61歳となります。)

ただし近年では、あまり数え年の馴染みがないため、還暦以外のお祝いも満年齢でお祝いする人が増えてきています。

どちらが間違いということではありませんので、地域の風習や本人や家族の意向に従って決めることをおすすめします。

 

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のしの書き方に関するマナー

のし(熨斗)

長寿祝いの贈り物には、のしを付け、水引は紅白か金銀の蝶結び(花結び)にすることが基本です。

表書きは水引の上に「御祝」や「祝○○(祝喜寿、祝米寿などお祝いの名前)」などと書き記します。「祝」のみ少し大きめに書き、そこから少し離して「還暦」と書く書き方もよいでしょう。

四文字の表書き(「還暦御祝」「古希御祝」など)は「死文字」と呼ばれ、気にされる方もいらっしゃいますので、お祝いの場面では避けた方が無難です。

そして、水引を挟んで下段にあたる部分に、表書きより一回り小さな字で差出人の名前を書きます。こちらは濃い黒の毛筆や筆ペンを使用し、楷書で丁寧に記しましょう。

連名の場合は、地位や年齢の高い順に、右から書き入れることが一般的とされています。

 

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長寿祝いでよくある失敗とその回避方法

おじいちゃんとおばあちゃん

めでたい場である長寿のお祝いですが、中にはトラブルになってしまったという失敗談もあります。

ご本人に喜んで貰えるお祝いにするため、お祝いの日が素敵な思い出となるために、以下のケースを確認しておきましょう。

 

贈り物を喜んでもらえなかった…

長寿を迎える方を思って一生懸命に選んだ贈り物も、場合によっては喜ばれないことがあります。
せっかくのお祝いを喜んで貰えなかったら悲しいし、とても残念ですよね。

贈り物を用意する前には、できるだけご本人の趣味や嗜好をリサーチするようにしてみてはいかがでしょうか
普段の言動に気を配り、ちょっとした会話の中からヒントを得るのもいいですね。

若い方が友達同士、恋人同士で行うことも多いサプライズのお祝い。予想していなかった分、喜びも大きい…というメリットがあります。

ですが、長寿のお祝いを行う場合は、サプライズという形は取らないほうが無難かもしれません。
日取りを決めて事前に知らせたほうがご本人も安心でき、その日を楽しみに待つこともできます。

また、旅行や外食を計画する場合も、ご本人を交えて話し合いをしたほうが、みなさんで楽しめるお祝いの場になります

 

兄弟・姉妹間でもめてしまった…

兄弟・姉妹間でお父様やお母様の長寿祝いを一緒に計画する際、意向が合わなかった、勝手に決められてしまったなどは意外とよくあることのようです。中でも特に予算でのトラブルは、一番避けたいものですね。

長寿祝いの贈り物は2万円~3万円が相場の目安となっていますが、旅行などを計画する場合は、5万、10万と金額が大きくなることもあります。

お祝いの予算の相場はそれぞれの家庭で異なる場合も多いため、ご本人が喜んでくれることだけでなく、どの家庭も無理のない範囲で贈り物を用意することが理想です。

参加者で平等に割るか、誰かが少し多く負担するのかなどを事前によく話し合いや相談をした上で、互いの合意を得てから準備を進めるようにしましょう。

どうしても考え方や金額の面で折り合いがつかない場合は、それぞれの家庭で個別にお祝いの品を用意することも1つの方法です

 

ご本人から長寿祝いを断られてしまった…

長寿のお祝いは大変めでたいもので、周りの人からすれば盛大に祝いたいものです。
しかし、ご本人が大袈裟なお祝いはしたくないと仰るケースもあるでしょう。

そのような場合はご本人の希望に添い、お誕生日の食事をいつもより少し豪華にするくらいにして、身内や家族のみで小さなお祝いの会を設けると良いでしょう。

また、プレゼントをちょっとめずらしいものにすると「特別感」がでるのでおすすめです。

 

いつもと違うプレゼント「お誕生日新聞」がおすすめ!

「お誕生日新聞」とは、大切な方の生まれた日や二十歳の年、結婚式の日などの思い出の日の新聞を”大切な思い出”とともに贈ることができる、唯一無二のギフトショップ。

年齢性別問わず、ご家族の皆さまで楽しんでいただける商品となっており、オンラインだけでしか買うことのできない、大変めずらしいギフトショップです。

当時の紙面から伝わるおじいちゃん、おばあちゃんが生きてきた時代。

お誕生日新聞を読む

小さい頃の思い出、少年時代の思い出、二十歳の時の思い出、おばあちゃんと結婚した時の思い出などなど…
今までおじいちゃん、おばあちゃんから聞くことになかった当時の楽しいお話が聞けるかもしれません。

おじいちゃん、おばあちゃんが生きてきた時代をご家族皆さまで共有することで、家族のルーツや生まれた意味を知るきっかけにもなりますよ。

今まで長い間元気でいてくれたことに感謝を込めて、「お誕生日新聞」を贈ってみてはいかがでしょうか。

昔の新聞ギフトショップ「お誕生日新聞」はこちら >

 

コミュニケーションマナー講師EXSIA代表 松原奈緒美(まつばらなおみ)
コミュニケーションマナー講師
EXSIA代表 松原奈緒美

マナー・コミュニケーション領域の専門家。研修や講演の年間登壇150本。これまでの受講者延べ人数は35,000名を超える。NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師の育成も行う。著書に「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版がある。メディアでも活躍。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などにも多数出演する。
Web:EXSIA(エクシア)
YouTube:EXSIA 松原奈緒美

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