【長寿祝い】のし(熨斗)についての由来とマナー
最終更新日:2023年3月23日
満60歳(数え年で61歳)の「還暦(かんれき)」を始めとし、70歳の「古希(こき)」や88歳の「傘寿(さんじゅ)」、100歳の「百寿(ひゃくじゅ)」など…
それぞれ一生に一度の大切な長寿(賀寿)祝い。人生で一度の大切なお祝いですので、失礼のないようにしたいものですよね。
このようなあらたまったお祝いの贈り物に、「祝儀袋」や「のし(熨斗)」はかかせないもので、お祝いの内容に合わせてさまざまな種類があります。
今回は、「のし(熨斗)」についての由来とマナーをご紹介いたします。
こちらのページはマナー講師の松原奈緒美先生に監修いただきました。
目 次
「のし(熨斗)」とは?由来についても紹介
「のし(熨斗)」は、もとは細く切ったアワビを薄く削ぎ、伸ばして乾かしたものを色紙で包んだ、飾り物のことを指します。
アワビは古来より不老不死の妙薬として信じられており、婚礼や式典などの祝い事や出陣の際に行われた「三献の儀」には、勝ち栗、昆布と並ぶ肴として欠かせない縁起物でした。
良いことが長く続きますようにという意味でつけるもので、薄く伸ばした「のしアワビ」を用いることが、その名前の由来となっています。
アワビが由来の熨斗ですが、生ものをつけるという意味もあるため、生もの以外の贈り物につけます。
今では印刷技術の発達により、のしは掛け紙の右肩に印刷されるようになり、しきたりは簡略化されています。
「のしの由来」などは、豆知識として知っているとよいかもしれませんね。
長寿祝いの「のし」に関するマナー
「内のし」と「外のし」
「のし」の種類には、贈り物に直接のし紙をかけてその上から包装紙で包装する「内のし」と、贈り物を包装した後にのし紙をかける「外のし」があります。
礼儀として「のし」を付けること自体が重要であるため、どちらにすべきといった決まりごとはありませんが、悩まれた際は以下をご参考ください。
「内のし」・・・意図を控えめに表現したい場合。のし紙が汚れないようにしたい場合。
「外のし」・・・意図を明確に伝えたい場合
また、贈る相手と親密な間柄であるならば、形式にこだわらず、リボンやラッピングをかけて贈っても問題ありません。
ただし、のし紙をかける場合は、リボンはつけないようにしましょう。
水引(水引き)
古くは、品物に掛け紙をし、「水引」という紐でくくって贈り物をしていました。現在では、水引ものしと同じく、のし紙に印刷されています。
水引には「結び切り」と「蝶結び(花結び)」があります。
長寿祝いには、簡単に解けて何度でも結び直せることから、くり返し祝い事があるようにとの願いを込めて、「蝶結び(花結び)」を用います。また水引の色は、めでたいことを表す紅白(赤白)や金赤、金銀などが最適です。
表書きの書き方について
古くは品物と一緒に目録をつけていましたが、現在は簡略化されたことによってその風習がなくなり、代わりに表書きを記します。
表書きは「御祝」や「祝○○(祝喜寿、祝米寿などお祝いの名前)」などとします。
四文字の表書き(「還暦御祝」「古希御祝」など)は「死文字」と呼ばれ、お祝いの場面では気にされる方もいらっしゃいますので、避けた方が無難でしょう。
「祝」のみ少し大きめに書き、そこから少し離して「還暦」と書く書き方もあります。
水引を挟んで下段にあたる部分には、表書きよりも一回り小さな字で贈り主の名前を書きます。濃い黒の毛筆や筆ペンを使用し、楷書で丁寧に書きましょう。
連名の場合は、地位や年齢の高い順に、右から書き入れることが一般的とされています。
長寿祝いをいただいた場合のお返しは必要?
長寿祝いをいただいた場合のお返しについてですが、特にはっきりとした決まりはないため、お祝いしてくださった相手や内容によって贈るかどうかを決めるのが無難です。
親しい身近な家族であればお礼の言葉のみでも構いませんが、遠方の親戚や仕事関係の方などからお祝いをしていただいた場合は、「内祝」として半分程度の金額の品を用意するのが一般的とされています。
お返しを贈る場合は、こちらも水引は「紅白の蝶結び(花結び)」を使用し、表書きは「内祝」とします。手紙やメッセージなども添えるとよいでしょう。
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コミュニケーションマナー講師
EXSIA代表 松原奈緒美
マナー・コミュニケーション領域の専門家。研修や講演の年間登壇150本。これまでの受講者延べ人数は35,000名を超える。NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師の育成も行う。著書に「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版がある。メディアでも活躍。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などにも多数出演する。
Web:EXSIA(エクシア)
YouTube:EXSIA 松原奈緒美