傘寿のお祝いの由来は?おすすめプレゼントやマナーなど役立つ情報をご紹介!
最終更新日:2025年1月30日
傘寿(さんじゅ)のお祝いとは、人生の節目となる80歳を祝う特別なご長寿のお祝いです。
現在の日本の平均寿命は80歳を超えていますが、それでもこの80歳の傘寿のお祝いを迎えられるというのはとても幸せなことです。
還暦(60歳)からはじまり、古希(70歳)、喜寿(77歳)の次にやってくる傘寿(80歳)のお祝いですが、なぜ80歳を「傘寿」と呼ぶのか、その由来やお祝いのマナーを知ることで、より心のこもった贈り物やお祝いができ、さらに気持ちを伝えやすくなるでしょう。
このページでは、マナー講師の松原奈緒美先生に監修いただき、傘寿の由来や風習、さらに傘寿祝いにおすすめのプレゼントをご紹介いたします。

コミュニケーションマナー講師
EXSIA代表 松原奈緒美
マナー・コミュニケーション領域の専門家。研修や講演の年間登壇150本。これまでの受講者延べ人数は35,000名を超える。NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師の育成も行う。著書に「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版がある。メディアでも活躍。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などにも多数出演する。
Web:EXSIA(エクシア)
YouTube:EXSIA 松原奈緒美
目 次
80歳の長寿お祝い、傘寿とは?
日本では60歳以降、節目となる年に長寿のお祝いをする風習があり、「傘寿(さんじゅ)」は80歳を祝う長寿行事で、古くから日本で大切にされてきたお祝いの一つです。
一般的に80歳の傘寿のお祝いのカラーは黄色ですので、「黄色のちゃんちゃんこ」のイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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<長寿祝いの一覧>
還暦(60歳) | 緑寿(66歳) | 古希(70歳) | 喜寿(77歳) |
傘寿(80歳) | 米寿(88歳) | 卒寿(90歳) | 白寿(99歳) |
百寿・紀寿(100歳) |
80歳の傘寿祝いの由来は?
草書体や略字で「傘」と書くと、「八十」を縦に書いた形(仐)に見えることが「傘寿」祝いの由来とされています。
傘寿のことを「八十寿(やそじゅ)」と呼ぶ人もいます。
中国から伝わったと言われる「還暦」や「古希」とは違い、「傘寿」や「喜寿」は日本発祥のお祝いです。
諸説ありますが、長寿のお祝いは室町時代頃から始まり、庶民に定着したのは江戸時代と言われています。
数多くある長寿祝いの中でも、その歴史は深く、家族で穏やかに祝う習慣が広く受け継がれています。
また、近年では平均寿命が延び、高齢者でも新しい趣味やアクティブな生活を楽しむ方が増えています。
そうした背景もあり、「傘寿」はよりポジティブに人生を重ねる象徴として、多くの人が楽しみにするお祝いとなっています。
傘寿祝いの風習、色(テーマカラー)は?
長寿のお祝いは、「還暦」や「古希」にはじまり、のちに80歳の「傘寿」などもお祝いするようになったとされています。
なお、「還暦」や「古希」は中国発祥であるため、地域によるお祝いの風習に大きな違いはありません。
長寿者がちゃんちゃんこを着て、ご親族で食事会を開いたりしてお祝いすることが多いようです。
傘寿のテーマカラーは「黄色(金茶色)」
黄色は古来中国の皇帝が衣服に取り入れていたことで知られており、皇族や公家が高貴さを表すために使用していた色とされています。
こうした歴史的背景を知ると、単に明るい色というだけでなく、長生きをお祝いする意味にぴったり合うことが感じられます。
お祝いの席でテーマカラーをさり気なく取り入れると、「長寿」のイメージを強く演出できるでしょう。
他の長寿祝いと同様に、黄色いちゃんちゃんこも良いですが、他にも黄色いお花や、黄色を基調としたアイテムをプレゼントに用意して、普段のお誕生日とは違う「特別感」を演出してみてはいかがでしょうか。
傘寿祝いは、いつ行うのが一般的?
実際に傘寿のお祝い会を開催するタイミングについては、誕生日祝いと一緒にするか、別々にするかで悩む方もいらっしゃるかと思いますが、現在の日本では、傘寿祝いと誕生日を一緒にお祝いしている家族が多いようです。
また、誕生日以外で検討されている方は、ご家族が集まりやすい理由から「敬老の日」や「お正月」など、何かの記念日に合わせる方もいらっしゃいます。
遠方にお住まいのご親戚もいらっしゃる場合、集まるのはなかなか大変だと思いますので、お祝いの時期や祝い方については、自分一人で決めずにご家族やご親戚と事前に話し合って決めると、スムーズに進みます。
傘寿祝いは満年齢で行う?数え年で行う?
2025 年に80歳の傘寿を迎えるのは、西暦(昭和)何年の人なのでしょうか?満年齢と数え年の違いとあわせて確認しましょう。
数え年では1946年(昭和21年)生まれの方です。
満年齢とは生まれた年を0年(0歳)とし、現時点までの時間を表したもので、最も一般的な年齢の数え方です。
例えば、2000年に生まれ、2019年に誕生日を迎える人は19歳ということになります。
対する数え年とは、生まれた時点の年齢を1歳とし、それ以後は元日のたびに1歳を加算して歳を数える方法です。
数え年では、その年の誕生日を迎えていない人は「満年齢+2歳」、迎えている人は「満年齢+1歳」で数えるため、少し複雑といえるでしょう。
かつては数え年で80歳になる年に、お祝いを行う風習がありました。
しかし現代では、比較的満年齢を用いてお祝いされる方が多いとされています。
年齢の数え方には地域差もあり、ご家庭によっては昔ながらの方式を受け継いでいる場合もあるため、事前に本人や家族と相談して決めるとよいでしょう。
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傘寿祝いを行う際に気を付けたいマナー
ご長寿のお祝いはおめでたいことですが、「あまりお年寄り扱いされたくない」という理由で好まない人もいます。
「長寿祝いは、しないほうがいい。」という考えの方もいらっしゃいますので、お祝い会を行う前に、ご本人の意向を伺った方が安心です。
また、傘寿祝いは他の長寿祝いと同様、80歳の誕生日までに行うのが一般的とされています。
どうしても誕生日当日を過ぎてしまいそうな時や、誕生日以外の日にちを検討する場合には、事前に伝えたりお詫びの言葉を添えると良いでしょう。
お祝い会では、80歳の傘寿は人生の大切な節目でもあるため、主役の方にはゆっくりとくつろげる場を用意してあげるのが基本です。
会場の準備をする場合は、段差や照明などに配慮し、必要に応じて座りやすい椅子や手すりのある場所を確保してあげましょう。
また、席次は主役が最も座りやすい場所、かつ皆からも見守りやすい場所を確保するのが望ましいです。
手土産や服装については格式ばりすぎず、でも失礼にならないように、相手を思いやった選択を心がけるとより良いお祝いの場を作れます。
2025年版 傘寿祝いに喜ばれるプレゼント5選
傘寿のお祝い品は、テーマカラーの黄色を基調にしたものや、長寿のシンボルにちなんだアイテムが選ばれる傾向にあります。
黄色のちゃんちゃんこが定番ですが、カタログギフトや名前入りのオリジナルギフトを選ぶ人も少なくはありません。
また、最近では“思い出を形に残す”ギフトも人気を集めています。
心がこもった贈り物であれば、何をプレゼントしても喜んでいただけるかと思いますが、「死」を連想させる、くし(苦・死)やハンカチ(手布→てぎれ→別れを連想する)は縁起が悪いので避けた方がいいでしょう。
ここでは、傘寿祝いに喜ばれるプレゼントを5つご紹介いたします。
(1)茶碗、湯吞みなどの食器類
毎日使う実用的なアイテム、茶碗や湯呑みなどの食器。毎日使うからこそ、こだわりたいものです。
特に長年、おじいちゃん、おばあちゃんが愛用されている湯吞みは、使い慣れていてとても愛着があるはずです。
モノを大事にする世代なので、壊れないとなかなか新しい物を使いたがらない方も多いかと思います。
素材やサイズ、重さ、持ちやすさなども考慮しながら、なるべく現在愛用しているものに近いものを贈ると、違和感なく使っていただけることでしょう。
また、有田焼や美濃焼などのブランドから選んだり、有名な陶芸家の作品から選ぶのも素敵ですね。
(2)花束などのフラワーギフト
お祝いの定番はなんと言っても、お祝いの席を華やかに彩る花束やアレンジメントなどの「フラワーギフト」。
年齢、性別関係なくどんなお祝いにも登場するお花は、80歳のお祝いでも例外ではありません。
「傘寿祝い」であればテーマカラーの黄色をイメージして、ガーベラやバラなどを使用したイエロー系のアレンジメントの花束をご用意してもよろしいかと。
やはり生花を使用したアレンジメントは香りも良く、華やかな気持ちにしてくれます。
もし綺麗な状態で長く保存したいというのであれば、最近は鮮やかな色が長持ちする「プリザーブドフラワー」が人気です。
受け取る方の好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
(3)フォトブック・フォトアルバム
80歳のお祝いに、おじいちゃん、おばあちゃんが、これまで歩んでこられた人生の思い出の写真を集めて、一冊の「フォトブック」や「フォトアルバム」に仕立ててプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
写真屋さんなどでは、フォトブックの制作を受け付けていることが多く、オンラインから簡単に注文できるものも多いようです。
80年分の写真ともなると、かなりの量になり選ぶだけでも大変ですので、各年代の写真の中から選りすぐりのものを選びましょう。
結婚式や子供・孫が生まれた日などは、おじいちゃん、おばあちゃんの記憶にも強く残っていると思いますので、そういった日の写真を使用してみてはいかがでしょうか。
フォトブックやフォトアルバムであれば、当日は別のプレゼントを用意しておき、傘寿祝い当日の様子をまとめて1冊に仕立て、後日改めてプレゼントするというのも素敵です。
(4)食べ物やお酒(日本酒・焼酎・ワインなど)類
お祝いのプレゼントであれば、食品やお酒もやはり定番中の定番です。
せっかくですから、お好きな物をプレゼントしたいですよね。
いざ選ぶ時に困らないよう、どんなものが好きか、普段の何気ない会話からリサーチしておくと良いでしょう。
例えばお肉が好きで、今もよく食べるという方には、有名なブランドの牛肉をプレゼントすれば、特別なお祝いの雰囲気がぐっと高まるかと思います。
甘い物が好きな方には、焼菓子や日持ちする和菓子などのスイーツも、お茶の時間にぴったりなので喜んでいただけることでしょう。
また、お酒が大好きという方もいらっしゃいますが、お酒の世界は奥深く、日本酒しか呑まない方や、ワインがお好きな方、焼酎派でも芋焼酎派と麦焼酎派、蕎麦焼酎などがあり、好みも分かれるところです。
最近は名入れができるものや、あらかじめ「傘寿」とラベルに書かれたものもありますが、こだわりが強い方へお贈りするのであれば、なるべくお好きな銘柄をプレゼントした方が喜んでいただけるかと思います。
ただし高齢の方の場合は、健康上や治療などの理由で食べ物やお酒の制限をされている方もいらっしゃると思いますので、事前にしっかりと調査しておき、喜んでいただけるものを選びましょう。
(5)名前入りギフト
やはり誕生日の日付や名前が入ったギフトは、その方だけに用意されたという特別感があるプレゼントです。
80歳ともなると、欲しいものはある程度揃っていて、傘寿のお祝いで貰いたいものは特に何もないという方もいらっしゃるかと思います。
そんな方には珍しい贈り物として喜ばれている「お誕生日新聞」がおすすめです。
お誕生日新聞とは、誕生日など思い出の日の新聞を大切な方へ贈れる、大変めずらしいギフト商品です。
過去の新聞記事や広告、テレビ欄から伝わる、当時の世相。
80年前の誕生日や結婚記念日に発行された新聞を、ご家族の皆さまで囲んで当時の思い出話を懐かしんでみてはいかがでしょうか。
ほとんどの商品に名前を入れることが可能ですので、大切な方への世界でたった一つの特別な贈り物になりますよ。
傘寿祝いには、どの程度の予算が必要?
80歳の傘寿のお祝いの予算は、贈り手と主役との関係性や地域の慣習によって大きく異なります。
両親のお祝いであれば1~5万円、祖父母であれば1~3万円、その他の関係でしたら5,000~2万円のようです。
ただし、旅行や食事会を同時に開催する場合は、もう少し予算が必要になる場合があります。
兄弟や親戚でお金を出し合うのであれば、早めに相談しておくと安心です。
傘寿祝いを行う場所は、自宅・ホテル・旅館・レストランなど様々な候補があります。
ちょっと上品なレストランや料亭などで、美味しい料理をいただくお食事会を催せば、会話も弾んで楽しいひとときを過ごせることでしょう。
家族旅行も兼ねて温泉地のホテルや旅館などに宿泊すれば、より一層素敵な思い出になります。
ですが、参加する人数が多くなると、それぞれの予定や、現在お住まいの場所などを考慮しながら日程を調整することになるため、かなり時間がかかります。
もしお出かけを計画する場合は、余裕をもって準備をするように心がけると良いでしょう。
また、ご本人からの希望や健康上の理由などから、外出はせずにご自宅でお食事などをデリバリーしてお祝いされる方も多くいらっしゃいます。
あくまでも傘寿祝いの主役であるおじいちゃんやおばあちゃんのご希望を尊重して、喜ばれるお祝いの会にしたいですね。
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傘寿祝いのプレゼントに添えるメッセージ例
傘寿のお祝いでは、プレゼントだけではなく、日頃の感謝の気持ち、これからも元気で長生きしてほしいという想いを込めたメッセージカードや手紙、寄せ書きを一緒にプレゼントしてみませんか。
スマホなどでメールやSNSでのコミュニケーションが主流になってきた昨今ですが、やはりいつの時代も直筆の手紙やメッセージは温かな心が伝わります。
おじいちゃん、おばあちゃんにとっては、プレゼント以上にこの「気持ち」が一番嬉しいのではないでしょうか。
88歳の米寿、 90歳の卒寿、99歳の白寿、100歳の百寿・・・と、この先の長寿祝いも元気に迎えてもらいたいという気持ちを込めて、80歳の傘寿祝いにはメッセージも添えてプレゼントを贈ってみてください。
メッセージカードを作成する際の参考となるよう、いくつか文例をご紹介いたします。
子供から父親・母親へ
『お誕生日おめでとうございます
傘寿の記念にお父さんが生まれた日の新聞を贈ります
今度帰省の時に子ども達にも見せてくださいね』
『お母さん 80歳のお誕生日おめでとう
いつも感謝しています
いつまでも元気で長生きしてくださいね
私たちみんな お母さんのことが大好きです』
『お母様へ
傘寿のお祝いとして 人生の出発の日の新聞をお贈りさせていただきます
いつも温かく見守って下さり ありがとうございます』
孫から祖父母へ
『おじいちゃん傘寿おめでとう
おじいちゃんが生まれた日と成人した日の新聞を贈ります
これからも元気で長生きして下さいね』
『おじいちゃん 80歳のお誕生日おめでとう
大きな病気や怪我無く 今日を迎えられて良かったです
おじいちゃんにとってどんな80年でしたか
今度ゆっくりお話聞かせてね』
『大好きな おばあちゃんへ ~祝 傘寿~
おばあちゃんが生きてきた80年間という年月には
色んな出来事があったと思います
この機会に是非思い出に耽ってみてね』
「お誕生日新聞オンラインショップ」では、上記の他にも、傘寿のお祝いに喜ばれるメッセージ文例を多数ご紹介しています。
いつもと違うプレゼント「お誕生日新聞」がおすすめ!
「お誕生日新聞」とは、大切な方の生まれた日や二十歳の年、結婚式の日などの思い出の日の新聞を”大切な思い出”とともに贈ることができる、唯一無二のギフトショップ。
年齢性別問わず、ご家族の皆さまで楽しんでいただける商品となっており、オンラインだけでしか買うことのできない、大変めずらしいギフトショップです。
当時の紙面から伝わるおじいちゃん、おばあちゃんが生きてきた時代。
小さい頃の思い出、少年時代の思い出、二十歳の時の思い出、おばあちゃんと結婚した時の思い出などなど…
今までおじいちゃん、おばあちゃんから聞くことになかった当時の楽しいお話が聞けるかもしれません。
おじいちゃん、おばあちゃんが生きてきた時代をご家族皆さまで共有することで、家族のルーツや生まれた意味を知るきっかけにもなりますよ。
今まで長い間元気でいてくれたことに感謝を込めて、「お誕生日新聞」を贈ってみてはいかがでしょうか。

コミュニケーションマナー講師
EXSIA代表 松原奈緒美
マナー・コミュニケーション領域の専門家。研修や講演の年間登壇150本。これまでの受講者延べ人数は35,000名を超える。NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師の育成も行う。著書に「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版がある。メディアでも活躍。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などにも多数出演する。
Web:EXSIA(エクシア)
YouTube:EXSIA 松原奈緒美